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道志川渓谷のあたりは《太平洋プレート》《フィリピン海プレート》《北アメリカプレート》《ユーラシアプレート》という4つのプレートがひしめきあう、世界でも珍しい個性的地形を持つ場所なのだそうな。しかも、約1500万年も昔の海底火山活動で体積した【緑色凝灰岩(グリーン・タフ系)】の岩盤があって、その地層を通ってくることで、お湯にミネラル分が豊富になっている「グリーン・タフ系温泉」という珍しい背景を持つ温泉なのだそうな。 「えっ!そんな4つのプレートなんて、ちょっと危ない場所なんでないの!?」と心の中で密かに突っ込みつつ、世間的には「極めてユニークな名湯」と呼ばれているのがココ「道志川基断裂温泉帯」。 その成り立ちはさておき、まず私が「ユニーク!」と思ったのは、ちゃんと署名が入った推薦文が、常備のパンフレットにも掲載されていたことです。 大月短期大学地球科学研究室の田中収教授が寄せている。 これには単なる「適応」だけ書かれたパンフとは一線を画した凄みがあった。 田中教授が使っていた言葉で、いくつか覚えておきたい言葉がある。 まず【泉源相:せんげんそう】という言葉。 「人相」があるように泉質にも相がある、ということで、 【1】化学成分等の化学的特性(カルシウムが多いとか、マグネシウムが多いとか)、 【2】微生物等の生物科学的特性(ばい菌入りの温泉には入りたくないし)、 【3】湧出・涵養に関する地形・地質的環境等の地球科学的特性(まあ、地質も泉質に影響を与えているんだろうねえ) これらを総合的に見た「泉源の姿」を、「泉源相」と呼ぶということです。 でも、温泉の価値って泉質だけではないんですね。 【温泉相:おんせんそう】というものも大切になってくるんです。 これは泉質以外に 【1】温泉地の高度環境としての標高や気象や水象の環境(周囲の環境も重要だってことですね) 【2】植生環境 【3】動物環境 【4】近景・中景・遠景の景観環境 【5】自然災害環境 【6】大地の資源や自然遺産等の地球科学的環境 【7】その土地の人が作った歴史や文化的環境、社会的環境 温泉相を英語でいうと「スパ・ファシーズ」。ああ、なんだか学問っぽい。 でもホント、温泉のことを考え始めると、いろいろなことが総合的に必要になってくる。 泉質を見るには化学が必要。温泉が湧き上がる仕組みを考えれば地学が必要だ。衛生状況を見るにはバイオが必要だし、それに、温泉が流行るためには、泉質だけではない。やっぱり周囲の環境がよいところは抜群。そういう環境を評価する必要もある。 でも一番重要なのは、温泉文化を育てる人がいるかどうか、だと私は思う。 温泉を楽しむ「人」があっての温泉だと思うから。 だからやっぱり温泉に集う人の観察をしていきたいのだ、と、熱くなってしまう (人がいない秘湯もいいけどー。でもやっぱりそれを愛する少人数の人があっての秘湯な訳だしー)。 そんなこんなで道志の湯。 ここは都心からもそう遠くないし、道志といえば神奈川県民にとっては水源。 なんていうか、愛着もある。 しかも、低めの山に囲まれた渓谷は、ちょっと来ただけでなんだかものすごく山奥感満載。環境はバッチリ。 肝心の泉質はというと、カルシウム・ナトリウム硫酸塩泉。PHは9.03のアルカリ性で、透明のさっぱりしたお湯。これは「杖を忘れる温泉」という異名をとれるほど、足腰の神経痛によい結果を出しているらしい。 わき上がるのは33度の「ぬる湯」だけれど、高温にしても泉質は変わらないということで、ぬるいのとアツいのと、ちょうどよい露天と、交互に入って1時間。休みなく1時間、ずーっと湯につかっていても、体に負担をまったく感じなくて、実にぼけーっとしてしまった。すごく入りやすいお湯でした。 リピーターが多く、口コミサイト等で人気を集めているのもうなずける。 でもそれにしても田中教授。今回の一番の収穫は、田中教授。 田中教授によると、同じ山梨の温泉でも「泉源相」「温泉相」ともに、ひとつとして同じところはなくそれぞれに魅力がいっぱいとのこと。山梨の温泉、あなどれず。 ついでに温泉地の小学生は「総合学習」の素材に温泉を使ってもよいかと、湯に入りながら思いました★ by fujicono-ofuroya | 2006-01-17 11:41 | 都市型温泉
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